問題No.7049 【推理クイズ】10000分の1の不運〜その1〜
出題者:ggg◆[b2d1d91]
この日オカジマ君はついてなかった。
受け持ちの仕事の期限が急に前倒しになり、
やむなくデートの約束をドタキャンして
タカスギ課長が心配して手伝いを申し出たが、課長がマイホーム主義者でいつも絶対に残業せずに、子供と夕食を取り風呂に入れて寝かしつけるのを無上の楽しみとしているのを知る身としてはやせ我慢して
同僚がみな帰宅したあとで軽い夕食を済ませ、さてチャッチャッと片付けるか、と腕捲りしたところにドヤドヤと清掃業者が入ってきて
業者にぺこぺこと頭を下げしばらく待ってもらって、データを自分のノートパソコンに移し必要な資料を持ち出して社員の休憩室に移動した。おかげで
休憩室の硬い椅子で仕事を黙々と片付けていると、7時ごろに常駐の警備員がやってきて退出するという。清掃も終わり、残っているのはオカジマ君一人だということだ。本来無人になるこの時間は機械警備を作動させるのだが、オカジマ君が残っているため解除した状態のままで帰るので岡島君がオフィスを出るときに作動させてほしいとのことだった。了解して警備員が去るとオフィスは物音ひとつしなくなった。しばらく仕事をしてやっと目途が立ってきた。大きく伸びをして一息入れようとして廊下に出ると、総務部室から明かりが漏れていた。
(清掃屋が照明を消し忘れたのかな?警備員も確かめてるはずだが)
部室をのぞくと机の間をゴソゴソと動く人影がある。
「誰ですか?」
オカジマ君の問いかけに体を起こして振り返った男は…
ボサボサの髪の毛、無精ひげは伸び放題、顔とぼろぼろの服は垢で汚れていた…つまり、どう見ても…
次の瞬間男が喚き声を上げて岡島君に襲い掛かってきた。手には出刃包丁!
「わっ!」
あわてて逃げようとするが、足がツルリと滑って前のめりに転んでしまった。
(やられる!)
ドサリと音がして振り向くと暴漢も床の上に転がっていた。床のワックスが乾いておらず滑りやすくなっていたのだ。
両手を突いて起き上がったオカジマ君は必死で廊下に逃げる。男もすぐ起き上がってきて追いかける。廊下に出たオカジマ君はやはり動転していたのだろう出口と反対の方向に走り出してしまった。このままでは袋小路だ。しまった、と思ったがあることに気付いた。
(そうか、あそこに逃げ込めば)
あそことは、開発室、電算処理室、データ保管室などが並ぶ機密セクション。各部屋は厳重に施錠されIDカード型の電子キーを持つものしか入れない。そしてこれらの部屋の入り口が並ぶ廊下の入り口にも4桁の暗証番号で開閉する自動ドアがある。セクション違いで平社員のオカジマ君は各部屋への鍵は持っていなかったが、この自動ドアはどの社員でも暗証番号を知っている。そこへ逃げ込めば…
〜その2〜に続く
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。
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10000分の1の不運〜その1〜の情報
問題作成日:2008-10-24
解答公開日:2009-01-24最終更新日:2008-10-25 19:59:59(更新回数:5)
更新内容:
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2008/10/25 (Sat) 19:59
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2008/10/24 (Fri) 13:27
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2008/10/24 (Fri) 13:10
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2008/10/24 (Fri) 12:43
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2008/10/24 (Fri) 12:38
正解率:2% (正解回数:5 解答回数:246)
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