頭の運動

問題No.6620 【推理クイズ】稲川淳一の怖〜いお話1「峠の幽霊」

出題者:稲川淳一◆[1e08b95]

この話はアタシ自身…怖いです。それに危ない。出来れば話したくはなかったんですがね…。
これはアタシの古い知り合いの走り屋から聞いた話ですが…


秋名山の山頂には高橋啓介と2人のRedSunsのメンバーがいた。
今夜、秋名山に来たのはベストメンバーではないが、RedSunsの一軍メンバーであった。
気心の知れた面子ゆえに、初めての秋名の峠でも有意義な練習ができた。
おまけに地元の走り屋が早々に撤収した為コースは貸し切り状態である。
存分に走り込み、気が付いたら深夜の3時前だった。
ここちよい疲労感に身を委ねつつ、峠を駆け下りる啓介のFD。
かなりスピードをセーブして走ったつもりだったが、ふと気がつくとミラーには仲間のライトが写っていない。
どうやら引き離してしまったようだ。
「やれやれだぜ、まだまだだな……あいつらも」
啓介はアクセルをゆるめスピードを落とす。
しばらくして、ルームミラーにライトが写る……
後ろからそのマシンが近づき、啓介は気づいた。

ドゥンドゥン

「ん?…違う……うちのチームのマシンじゃねえ!」
車体はさほど大きくなく、2灯のリトラクタブル。
MR-2か、180SXか……いやRX-7と言う所か。
そして……何より啓介の目を引いたのは車体の白黒ツートンカラー。
今日の遠征のメンバーのマシンにそのカラーの車はなかった。
啓介があれこれ考えている間に、そのマシンは完全に啓介の後ろに張り付いた。
上向きのままのヘッドライトからのハイビームがFDのルームミラーを激しく照らす。
「ちっ!何者か知らないが上等じゃねえかよ……」
眩しいミラーから視線を外しながら啓介は叫んだ。
「コーナー2個も回れば、バックミラーから消してやるぜ!!」

グォォオン

長い直線でアクセルをグッと踏み込む。
エンジンパワーに差があるのか、2台の距離がやや離れる。
「ツインターボをナメてもらっちゃ困るぜ!」
目の前に迫る緩やかな左コーナー。

ギュギュ

ブレーキング・ドリフトに持ち込むFDの左サイドミラーに光。
左に目をやった啓介の目は……驚きに見開かれた!
引き離したはずの後ろのマシンは、FDよりさらにインよりに鼻先を突っ込み、同じスピードでドリフトで並んでいた。
だが、何より啓介を驚かせているのは、相手の技量ではなく、その車だった。
ひと昔前の、しかも1.6リッターのノンターボ、150馬力ほどの車。
そんなポンコツに俺が……350馬力のFDが追い回されている!?
「ふっ! ふざけんなテメエッ!!」
ストレートでは確かに引き離せる。
だがコーナーの出口では「ピタリ」とルームミラー定位置にへばりつく2灯のハロゲン。
……引き離せないのか? 俺が? RedSuns・No.2のこの俺が?悪い夢でも見てるのか?
「くっ!くそったれがあああああ!! 」


稲川淳一の怖〜いお話2「峠の幽霊」に続く。


※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。

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稲川淳一の怖〜いお話1「峠の幽霊」の情報

問題作成日:2008-07-17
解答公開日:2009-01-17最終更新日:2008-07-18 10:01:01(更新回数:1)
更新内容:


正解率:0% (正解回数:1 解答回数:341)

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