問題No.6529 【推理クイズ】逆襲のカツサンド

出題者：Uttie◆[35d66fa]

買ったカツサンドを手に、アルバイト先の書店に向かった。
駅前にあるその書店はかなり大きく、金曜日の午後と土日、休日は驚く程人が多くなる。
ここでバイトし始めてからまだ２ヶ月しかたっていないが、ほぼ毎日来ていると仕事にも、もう慣れたものである。
つい３週間前の水曜日、知った顔の奴が店に来た。吉田だった。
吉田は俺の高校の同級生だったが、俺はよくいじめられたり、パシリにされたりしていた。
そのせいでクラスでも浮いた存在になり、３年間ずっとそんな感じだった。つらかった。
高校を卒業した後、俺は大学に進学し、吉田は就職したと聞いた。
その後、吉田と会うことは無くなった。
俺も３週間前に会うまで忘れかけていた・・・。

「あれ？佐々木か？久しぶりじゃん。何？バイト？」
「ああ、吉田・・・。久し振り・・・うん、そうだけど。」
「へへっ、なつかしいな。楽しかったよな。高校の時は・・・。」
「そうだな・・・。」適当に相槌を打つ。
「お前にいつも買ってきてもらってたカツサンド美味かったなぁ。」
吉田がしみじみとしているの見ながら、俺の心の中は、憎悪と軽蔑でいっぱいになっていた。
「じゃ、俺急ぐから、またな。」
と言い残すと、買ったばかりの週刊誌と短編小説が２冊ほど入った袋を持って、俺の前から立ち去った。

ああ、あいつのせいで・・・俺の高校３年間は最悪だった。大学に行って折角、奴から離れられたと思ったのに・・・。
出来れば思い出したくなかったのに・・・。思い出すと、腹が立って仕方がない・・！
あいつに・・・仕返しでもしてやろうか・・・そうだ！やってやる！
そして、今日までの３週間、あいつを殺してやるための計画を作った。
完璧だ・・・。これで・・・あいつに仕返ししてやる！

今日、俺はレジの係だった。これも計画通り。
鞄の中には毒を仕込んだ「あれ」が入っている。バッチリだ。
さあ、いつでも来るといい！

毎週いつもの時間にあいつが来た。
「よお、今日はレジ係か。」
そう言うと、あいつは週刊誌と短編小説をこちらに差し出した。
「今日は人手が少ないからね。つっても客も少ないけど・・・。」
「確かに・・・そうだな。」
あいつが周りをキョロキョロと見渡しながら言った。
「あ！そうだ！ちょっとまってろ。」
俺は思い出した風を装って従業員室に入って行った。
部屋に入ってさっき買ったカツサンドを持ち、あいつの所に戻った。
「これやるよ。ほら、懐かしいだろ？」
コンビニの袋を手渡す。
「あ！これカツサンドじゃん！ほんとになつかしいな！お前からカツサンドもらうなんて！へへへ！」
「あと、店のキャンペーン中でね。本を買ってくれた人にこれを渡すことになってんの。」
「へえ、じゃあ、ありがたくもらっておくよ。」
出来るだけカツサンドを食べる前に開けてくれよ。と心の中であいつに言う。

プルルルル・・プルルルル・・
携帯に出ない。まだ７時、寝てる筈がない。さて、あいつの家に向かうか。あいつは家の鍵は閉めない・・・。
今行って、「あれ」を回収しなくては・・・。

さて、俺が毒を仕込んだ「あれ」とは、何でしょう？
文字数と文字の指定はしません。


※　問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。

逆襲のカツサンドへの最新コメント

でーきたっと！！

こわいですね。

「こういう感じかな」
と思って入力したら一発！
ドラマ性もあって良かったです＾＾

一瞬ひるみましたが、冷静に考えて、一発ＯＫでした。
私には、あまり馴染みのないものなので…
また惑わすクイズお願い致します。

＜開けて＞に惑わされました

コメントをもっと見る／書く

逆襲のカツサンドの情報

問題作成日：2008-06-30
解答公開日：2008-10-30
正解率：15%　（正解回数：502　解答回数：3316）

Uttieさんの他の問題を見る