問題No.3746 【推理クイズ】自身（１）

出題者：△◆[1da237c]

俺の名は武藤明男。
俺はある男を捜してこの小さな田舎町に初めてやってきた。
目的の古びたアパートを見つけ、近くに車を止める。
奴の部屋は２０３号室。おそらく２階の３番目の部屋だろう。
しばらく車の中からその部屋を観察した後、グローブボックスからナイフを取り出しポケットへしまう。
車から降りると、
「こんにちは」いきなり背後から声をかけられた。
振り返るといかにも近所のおばさん風の女性が笑顔で立っていた。
「あら、三堂さん。今日はいつもとちょっと雰囲気が違うわね。イメチェン？いいねぇ若い子は…。
私ももうちょっと若ければ・・・」
おばさんの話はなかなか終わりそうにない。どうも俺を三堂という男と間違えているようだ。
俺は適当に相槌を打つと「じゃ、また」と切上げ、アパートへ向かった。
２０３号室の表札には手書で『三堂』と書かれた紙が貼ってあった。
俺は右手でポケットの中のナイフを握り締めながら、左手で静かにドアをノックした。
ドアが開き若い男が顔を出す。
「久しぶりだな、善博」俺は奴ののど下にナイフを突きつけた。
「あ、明男！？どうしてここが？」奴の顔が恐怖に怯える。
「この三年間。お前に復讐するために執念で生きてきたんだ。覚悟しろ」
俺は奴の顔面めがけてナイフを切りつける。
が、間一髪奴は後ろによけ、部屋の中に尻餅をつく。額にわずかな傷がついただけだ。
俺は奴を追い部屋の中へ押し入る｡
畳の上で尻餅をついている奴に覆いかぶさり今度こそ止めを刺そうとナイフを振り上げた。
と、奴はテーブルの上の飲みかけのビールを、俺の顔めがけてぶっかけた。
目にビールが入り視界を失っているうちに奴は立ち上がり、バットを持って俺に殴りかかってきた。
俺は直撃をくらいぶっ倒れた。
ふらふらになりながらも、次の攻撃に備え立ち上がる。が、次の攻撃がこない？
カンカンと階段を駆け下りる音がした後、車のエンジン音が聞こえてきた。
俺は急いで部屋の外に出てみると、奴が車で逃げ出すところだった。
ここで逃がしては今までの苦労が水の泡だ。
俺も自分の車に駈け戻り奴の車を追跡した。
奴は信号のない田んぼ道を逃げて行く。見通しがいいので逆に追跡は楽だ。
奴との距離を徐々に詰めてゆく。
奴は進路を山の方へ変えた。
木々の間を抜けるワインディングロードとそこから枝のように分かれる未舗装の脇道。
知らない人だとそこに道があることすら気付かず通り過ぎてしまうこともある。
奴との距離は３０メートルほど。俺は見失うまいと必至で車を操った。
いつしか未舗装の山道へと入っていた。
とその時、殴られた後遺症だろうか、周りの景色がぶれて見え始め、次の瞬間、車は思わぬ方向へスピンした。
俺はとっさにブレーキを踏む。車は山側の崖に接触して止まった。
目を閉じバクバク鳴っている心臓に手を当てる。体はふわふわと奇妙な浮遊感に包まれていた。
数秒後、心臓も落ち着き目を開ける。もはや奴の車は走り去ってしまっただろうと思いつつ見ると、
なんと、奴の車も３０メートル程前方でスピンして止まっていた。
−『シンクロ』−？
…ばかな！俺と奴の間にそんな現象など一度も起こったことはない。
こんな山道を猛スピードで走っていたらいつスピンしてもおかしくない。
たまたま同じタイミングでスピンしただけだろう。
俺はばかげた想像を振り払い車を再スタートさせた。
同時に奴の車も再始動し、追跡が再開された。

えー、番組の途中ですがここでクイズです。
俺と奴の関係は？
漢字二字でお答えください｡


※　問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。

自身（１）への最新コメント

わかりました。がよくわかりません

ヒントを教えててください

最初はただ単にシンクロのシーンが書きたかっただけなのですが、
○○で憎みあう、こんな悲惨なストーリーになってしまいました。

こんなひねりも何もない問題にお答えいただき、またコメントくださった皆様、ありがとうございます。

とっても素直にわかりました(^o^)

読んでてドキドキしました。楽しかったです。次も一発を目指します!

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自身（１）の情報

問題作成日：2007-07-07
解答公開日：2007-10-07
正解率：30%　（正解回数：211　解答回数：689）

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