問題No.3104 【推理クイズ】探し物その2
出題者:ルマ◆[6ec67fb]
入ってきたのは男子生徒と女子生徒だった。男子生徒の襟には高等部の校章がついている。
「探偵同好会ってここ?」
男子生徒がいきなり口を開いた。それなりに格好が良いが、
この学校でこの口調、少し浮いている風に感じた。
「はいそうです。私が探偵助手の天野で、こちらが」
「携帯電話探してくれない?」
天野のしゃべりを遮って、男子生徒は話を始めた。
「校内のどっかに落としたみたいなんだけど、見つかんなくて」
僕は少し怒り、少し戸惑っていた。今依頼している自分が無視されている。
「あの、すいません。僕が先に依頼を」
「構いませんよ。で、どんな電話なんですか?」
僕を無視して、天野は男子生徒に尋ねた。柊は少しあわてた様子でこの光景を眺めている。
当惑する僕と柊をよそに、男子生徒(久代という名前らしい)と天野は会話を繰り返した。
「携帯禁止だし、シホとのメールとか先生に見つかるとまずいから早くしてくれるかな?」
男子生徒は腕につけた時計を見ながら、言った。
「とりあえずこのアドレスにメール送って。着信音でわかると思うから。」
「電話でもいいですよ」
「電話の着信はサイレントにしてあるんだ」
男子生徒のメールアドレスが書かれた紙を見ながら、柊と天野は自分の携帯電話にそれを打ち込んでいった。
「じゃあ俺と助手が3階探して、シホと探偵が1階と階段ってことでいい?」
「OKです。ところで依頼料は・・・?」
「あーじゃあジュース代ってことで」
「OKっす」
「早くしようぜ」
男子生徒は再び腕時計に目をやった。体はもう部室の外に出ている。
シホという女性が、急に口を開く
「最近彼体調がよくないみたいで、私とデートしてるときもセキすることが多くて、
よくトイレに行くんです。今もひょっとしたらそれで焦っているのかも・・・」
「ま、すぐには治らないでしょうね」
天野が言う。
「ひとつ聞いて良いですか?彼とはよく授業中にメールしたりするんですか?」
「いえ、見つかるとまずいので・・・」
「ありがとうございます」
会話を終え、3人は部室を出て、探しに出かけようとする。
さすがに腹が立った僕は、天野に向かって言った。
「僕の依頼はどうなったんだ?僕のほうが先だろ?」
「鞄の中」
天野はすぐさまそう言うと、柊のほうをちらっと見て、
「ですよね?先生?」
と続けた。柊は黙って笑った。3人+久代は二手に別れ、部室から出て行った。
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。
探し物その2への最新コメント
コメントはありません。
探し物その2の情報
問題作成日:2007-05-06
解答公開日:2007-11-06最終更新日:2007-05-06 13:34:03(更新回数:2)
更新内容:
--------------------
2007/05/06 (Sun) 13:29解答編の続きを追加しました。
--------------------
2007/05/06 (Sun) 11:37
正解率:45% (正解回数:294 解答回数:649)
ルマさんの他の問題を見る