問題No.23463 【推理クイズ】あなたが羨ましかった

出題者：ｚｏｎ◆[304a42a]

津崎一美の取り調べは順調だった。
彼女の自供は穏やかで一貫しており、指紋や手形などの証拠も多数見つかっている。
だが、大木刑事は何か重要な点を見落としている気がしてならなかった。

津崎一美（スーパー勤務　65歳）が最寄りの警察署に自首したのは2025年2月23日の朝だった。
彼女は「自首しに来ました」と告げると、バッグからスーパーの袋を取り出し、受付台の上に置いた。袋の中には、禿頭の男の首が入っていた。
根元から切断されたそれは、袋にぴったりと収まり、倒れずに自立していた。袋を置いた際に袋が破けて受付台には血が広がったが、彼女のバッグや袋の外側に血の汚れはなかった。

被害者は彼女の夫、津崎藍（コンビニ勤務　62歳）
薄く目を開け穏やかな表情で弛緩した首には彼女の血で染まった手形がいくつも残されていた。彼女以外の手形は検出されず、遺体は自宅の浴室から発見された。

「夫が口論中に風呂に行ったのが許せなかった」
と彼女は語った。
衝動的に台所の包丁を手に取り、何十回も刺した。
それでも夫が生き返りそうで怖くなり、首を切断した。
その瞬間、急に冷静になった彼女は、首を袋に入れ、そのまま警察に出頭した。
凶器の包丁に残る指紋、浴室に残された血の手形も、全て彼女のものだった。

津崎久住（40歳）は津崎家の一人息子である。
一度会社に就職したが人間関係に躓き退職。その後は十年以上引きこもっていた。
事件当日も2階の自室でiPhone 16 Proを使って動画を見ていたが、階下から両親の言い争う声が聞こえていた。
母のヒステリックな叱責は日常だった。だが、その日は違った。
父の断末魔が響いたのだ。
恐怖に震え、布団をかぶったまま父の悲鳴が小さくなっていくのを聴いていた。
母が外出すると、階下に降りて死体を発見。
しばし呆然としていたが硬直が解けると慌てて通報した。
しかし、その時すでに津崎一美は自首を終えていた。
「母が家を支配していました。自分は勉強以外許されず周囲と打ち解ける方法を学べなかった。父は母のご機嫌取りのロボットのようでした。長年の酷使で壊れてしまったのかもしれません」
と久住は語る。
そして自嘲気味に両手を挙げてこう続けた。
「今風に言うなら親ガチャ爆死ですね」

（何かが引っかかる）
大木は自身のデスクで記憶資料を反復するが『何か』に到達することはできなかった。
そこへ小松刑事が姿を見せる。珍しく別々の事件の担当となったので顔を合わせるのも数日ぶりだった。大木は藁にもすがる思いで事件の説明を行った。
「ここはおかしいと思う」
小松はすぐに資料のある部分を指差した。
「津崎一美以外の人間が事件に関わっている可能性がある。なぜなら——」

問　小松刑事の推理の根拠は何かを入力してください。文字種は未指定、文字数は六文字以上で十五文字以内です。問題文中から抜き出し可能です。句点は入力しないでください。


※　問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。

あなたが羨ましかったへの最新コメント

ぐらさん、コメントありがとうございます。
楽しんでいただけたようで良かったです。
ありがとうございました。

あざまし!!

お久しぶりです。こんな内容ではありますがお付き合いいただけると嬉しいです。
タイトルは問題文を書いている時によく頭に浮かんだ平井堅さんのアルバムあなたになりたかったのもじりになります。

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あなたが羨ましかったの情報

問題作成日：2025-02-24
解答公開予定日：2025-05-24最終更新日：2025-02-26 18:12:04(更新回数：4)
更新内容：
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>2025/02/26 (Wed) 18:06<
問題文全体を修正しました。
流行りの生成AIさんの力を借りました。
楽しかったです。
>--------------------<<
>>2025/02/24 (Mon) 19:03<
>設問部の修正を行いました。<
>>--------------------<<<
>>>2025/02/24 (Mon) 10:19<<<
>>>

正解率：8%　（正解回数：20　解答回数：231）

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