頭の運動

問題No.23419 【推理クイズ】クイズリバイバル「〇〇へ…」

出題者:復刻堂◆[54b3cd8]

夜の公園。空には月明かりはない。漆黒の闇を照らす街灯の下、青年と壮年の男が走っている。
二人とも切羽詰った顔つきをしていて、まるで何かに追われているようだった。
左手で腹部を押さえていた壮年の男が徐々に青年に遅れをとっている。
二人とも必死に走っていたが壮年の男が、突然走るのを止めてその場にへなへなとしゃがみこむ。
「…クッ!、俺は……もう駄目だ」
「おい! 諦めるなよ! あともう少しだろうが!」
汗にまみれた顔で、青年が叫ぶ。
「もういい、俺はもういいんだ……せめてお前だけでも……」
「馬鹿野郎! 奥さんが泣くぞ! 諦めるな! 早く立てよ!」
うずくまる壮年の男を立たせようと青年が腕を掴んだ。
しかし壮年の男は捕まれた腕を振り払い、近くの街灯にもたれかかる。
壮年の男の脳裏には今朝、妻と交わした会話の光景が走馬灯のように蘇っていた。

『あなた。もう歳なんだしタバコ辞めたら?』
『わかった。今日から禁煙するよ』
『うふふ。その台詞何度目かしら?私はあなたに長生きしてほしくて言っているのよ』

闇が周りを覆う中、青年の目には人工的な明かりの下で壮年の男は急に老け込んだように見えた。
「俺の事は……気にするな。大事なのはお前が助かる事だ。それにお前、来月結婚するんだろ?」
「何言ってるんだよ!今は関係ないだろ! いいから立てよ!」
再び手を伸ばそうとした青年に向かって、壮年の男は弱弱しい声で呟いた。
「俺は……もう……手遅れなんだ……」
「………」
「……タバコくれないか?今朝妻に取り上げられて今持ってないんだ……」
青年は、はっと何かを悟ると出掛かった言葉を飲み込んで唇を閉じ、タバコを壮年の男に咥えさせて火をつけた。
壮年の男は青ざめた顔を青年に向け、公園の一点を指差し、力を振り絞って語りかける。
「いいから行け。決して振り向くんじゃないぞ。前だけ見て走るんだ。」
青年は何か言いたそうな顔をしていたが無言で頷くと、うずくまった男に背を向けて走り出した。
「そうだ、それでいい……彼女と新しい命を大切にな」
壮年の男は満足げな微笑みを浮かべると右手の親指を立て、走り去る青年を見送った。
「ジュリア、すまない……約束破っちまった……」
壮年の男はタバコの煙を深く吸い込み、ゆっくり吐き出すと、静かに目を閉じた。


問題
ふたりが目指していたものとは?2文字で。


※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。

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クイズリバイバル「〇〇へ…」への最新コメント

[221779] (無題)
 投稿者::無名◆[b7e633a] 投稿日時: 2024-04-12 11:48:21
あったなぁこんな問題
[221778] (無題)
 投稿者::無名◆[f8a7d5a] 投稿日時: 2024-04-11 17:19:04
あったなぁこんな問題


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クイズリバイバル「〇〇へ…」の情報

問題作成日:2024-04-09
解答公開予定日:2024-10-09
正解率:12% (正解回数:27 解答回数:216)

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