頭の運動

問題No.18068 【推理クイズ】銘石パズル

出題者:子供の落書き帳◆[11869ca]

お先にどうぞ
第一話『飛行少女』
第二話『黒書刊行会』

第三話『銘石パズル』

今回は僕が先輩と出会った事件の話をしよう。それは僕がニ年生に進級してすぐの出来事だった。当時僕はパワーストーン研究会という怪しげな部活動に席を置いていた。といっても友人に頼まれて名前を貸していただけで部活には殆ど出ていなかったのだけど。その日もいつものように授業が終わり早々と帰り支度をしていると友人の草壁智樹(くさかべともき)が話しかけてきた。

「悪いけど、今日は部活に出てくれないか?」

草壁は申し訳なさそうに手を合わせた。

「どうかしたの?」

「それが、部室に飾ってあった石が盗まれたんだ」

パワーストーン研究会の部室は旧校舎の第一化学室を使用している。普段の授業では新校舎の第二化学室が使用されるため第一化学室はいわば空き部屋のようなものだ。盗まれた石はオレンジ色の球体で中に星のような模様が見える綺麗な石だ。部長が中国旅行に言った際に購入した物らしい。普段は化学室にある薬品保管庫の中に保管されている。薬品保管庫は最後に帰る部員が施錠し鍵は化学室にある金庫の中に入れる決まりになっていて、金庫のパスワードは部員にだけ知らされている。ちなみに化学室のドアには鍵はない。

「つまりは金庫のパスワードを知っているのは部員だけ。僕たちの中に犯人がいると疑ってるわけだね」

「そうなんだ。部長ったら犯人が自首するまで帰さないなんて言ってるんだぜ」

「仕方ない適当に終わらせて早く帰ろう」

僕と草壁は第一化学室へと向かった。部室には部長の千田真尋(ちだまひろ)先輩と三年生の藤枝志乃(ふじえだしの)先輩、穂村明美(ほむらあけみ)先輩の三人がいた。

「全員そろったようね。さぁ誰が盗んだの? 潔く白状しなさい。あなた達の中に犯人がいるのはわかっているのよ。今朝部室に来たら鍵が掛かっているはずの保管庫のドアが空いていたわ。不審に思って中を覗いてみたら中はぐちゃぐちゃに荒らされていて、おまけに私の大切な石がなくなっているじゃない。鍵を使えるのは部員だけなんだから犯人はこの中にいるに決まっているわ!」

千田部長は矢庭にまくし立てたが誰も返事をしなかった。

すると藤枝先輩が恐る恐る話し始めた。

「もしかして……昨日のアレが原因なのかも……」

「どういうこと? 詳しく説明しなさい」

千田部長が藤枝先輩に詰め寄る。すると穂村先輩が藤枝先輩を庇うように前に出た。

「じ、実は昨日、私と志乃が戸締まりをしたんですけど、部屋を出るときに保管庫に鍵を掛けるのを忘れてしまったんです」

「じゃあ保管庫には鍵が掛かってなかったってこと?」

部長が鬼の形相で睨む。

「で、でも、校門のところで気が付いて志乃には下駄箱で待っててもらって、私が部室まで戻って施錠しました。外はもう暗くなっていたから鍵を掛けるときに部屋の中を確認しなかったんです」

穂村先輩は弁解するように答えた。

「それがなんだっていうのよ。結局保管庫の鍵は掛かっていたんじゃない」

「つまり先輩たちはこう言いたいんですよ。鍵を掛ける時に中に誰かいたんじゃないかと」

僕は先輩達を代弁する形で言った。

犯人は藤枝先輩と穂村先輩が鍵を掛け忘れたのを見つけて保管庫に侵入する。しかし部屋を物色している間に穂村先輩が戻ってきて鍵を掛ける。犯人は中から鍵を開けて部屋を出るが金庫のパスワードを知らないので改めて施錠する事が出来なかった。

「つまり犯人は外部の人間ってことです」

「そういえば占い研究会の白石真衣(しらいしまい)が占いに使う水晶玉にピッタリだと私の石を狙っていたわ。占い研究会の部室は隣の教室だし間違いない……」

部長はブツブツ呟きながら教室を飛び出していった。

「さぁ今のうちに帰ろう」

「おい、さっきの話は本気なのか?」

草壁が僕に詰め寄る。

「本気なわけないだろ。だいたいこんな少ない情報で犯人が分かるわけないじゃないか」

そう言って部屋から出ようとすると、室内に謎の声が響き渡った。

「君は本当にそう思ってるのかい?」

教室の後ろをみると一人の男が机の上に腰を下ろしていた。

「だ、誰ですか? いつからここに?」

「ずっといたさ、君たちが来る前からね。人が寝ているのにうるさい奴らだな」

こんなところで寝ている方が非常識だ。一体何者なんだろう?

「それよりさっきの話、聞かせてもらったよ。その犯人を僕が推理してあげよう。報酬は……そうだな、ちょうど助手が欲しかったところだ。君には僕の部に入ってもらう」

「いきなり言われても困ります。既にパワーストーン研究会にも所属してますし」

「なら掛け持ちすればいい。どうせ幽霊部員なんだろ? だが僕の部には毎日出てもらうぞ。僕が欲しいのは純粋な労働力だからな」

これが僕と先輩の最初の出会いだった。

「まずは現場検証からだ。ここが保管庫だな。広さは六畳くらい。鍵はよくあるシリンダー錠か。ドアには中を覗けるガラスが嵌めこまれているな」

先輩はドアを入念に調べながら保管庫の中に入った。先輩が保管庫に入るとひとりでに照明が灯った。

「うおっまぶしっ!……なんだ自動照明か?」

「部長が化学室にあったサーモグラフィを改造して自作したんです。一流の展示室には一流の照明設備が必要だって」

「こんなボロい部屋になんと無駄な設備を……」

先輩は呆れながら倉庫内を物色し始めた。

「石はこの棚に飾られていたんだね?」

「はい。ここに飾ってあることはパワーストーン研究会の部員なら全員知っていました」

「ふーん。そういえば石が盗まれたときに部屋の中が荒らされていたそうだね」

「そうらしいですね。部長が朝に草壁を呼んで片付けさせたみたいですけど」

「よし、だいたい分かった」

「え、犯人が分かったんですか。やっぱり外部の人間なんですか?」

「それは次の三つの命題を解けば導き出せるさ」

問題
石を盗んだ犯人は誰か?
下記の三つの選択肢を選んで犯人を推理してください。

命題1 犯人はパワーストーン研究会の(A部員である・B部員でない)

命題2 犯人は保管庫の鍵を掛け忘れていたことを(a知っていた・b知らなかった)

命題3 犯人は施錠時にアリバイの(αある・βない)人物である

解答方法
選択肢を選んで続けて入力してください。
※選択肢は全角です。

解答例
Abα


※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。

解答する:

銘石パズルへの最新コメント

[117515] (無題)
 投稿者::と◆[2b071f9]#[正解者] 投稿日時: 2013-01-05 18:20:18
最初半角で打ってました^^;
[117364] (無題)
 投稿者::子供の落書き帳◆[5653e71] 投稿日時: 2012-12-26 00:51:33
ネタ切れなので無理やり完結です
日常系は難しい


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銘石パズルの情報

問題作成日:2012-12-26
解答公開日:2013-03-26最終更新日:2013-01-04 22:48:36(更新回数:4)
更新内容:
--------------------
2013/01/04 (Fri) 22:34
解答方法変更
--------------------
2012/12/26 (Wed) 23:37
文章改稿

正解率:9% (正解回数:109 解答回数:1205)

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