頭の運動

問題No.16745 【推理クイズ】最終話『上天の光』

出題者:子供の落書き帳◆[eeeeb42]

*シリーズ物ですので前の話から順に解いてください。

問題編
僕の住む飛雁村には悪魔王の伝説がある。夜になると山から悪魔王がやってきて人を襲うという伝説だ。僕は昔から悪魔王の話がとても怖かった。悪魔王の話を聞いた夜は怖くてトイレに行くことが出来ずお漏らしをしたこともある。友達と遊んでいる時も日没前には必ず家に帰るようにしていたので、いつも臆病者と笑われていた。今では隣の家に住んでいる小夜(さよ)ちゃんしか僕と遊んでくれなくなった。

その日も僕は小夜ちゃんと二人で遊んでいた。いつものように畑の側の畦道で遊んでいると、遠くの方から見慣れない人物が歩いてきた。僕と小夜ちゃんは咄嗟に草の陰に隠れて様子を伺った。そいつは全身黒ずくめで、顔は包帯でぐるぐる巻きにして隠していた。『悪魔王だ!』と僕は瞬時に感じた。悪魔王は挙動不審な動きをしながら僕の家の方向に歩いていった。もう既に日は暮れかかっていて辺りは薄暗くなっていた。しかし、僕は嫌な胸騒ぎを感じて悪魔王の後を追うことにした。

悪魔王は僕の家の前まで来ると隣にある蔵の中に入っていった。この蔵は父が仕事場として使用しているものだ。僕は草むらに隠れて蔵の入口を見張ることにした。悪魔王が蔵に入っていくらかの時間が過ぎた。日も暮れ、悪魔王の活動する時間帯が近づいてきた。一緒にいた小夜ちゃんは既に家に帰ってしまい、僕は一人になった途端に急に心細くなってきた。もう監視はやめて家に入ろうかと考えた瞬間、蔵の中から女性の悲鳴が聞こえた。母の悲鳴だ。蔵には悲鳴を聞きつけた女中や庭師の人達が続々と入っていく。しかし僕は恐怖のあまりその場から動くことが出来なかった。

あとから聞いた話だと蔵の中では僕の父が殺されていたらしい。やはり悪魔王の伝説は本当だったんだ。僕の父は悪魔王に殺されたのだ。蔵の中には他に母がいたらしいが、どうやら無事だったらしい。僕は母のことが心配になって警察に事情聴取を受けている母の様子を見に行くことにした。事情聴取が行われている部屋の前まで行くと中から声が聞こえてきた。

「えーと……巫光恵(かんなぎ みつえ)さんですね。ご主人の巫士郎(かんなぎ しろう)さんが死んでいた蔵にいたそうですが、これはどういうことですか?」

「だから何度も言っているように黒い服を着た人がいきなり蔵に入ってきて主人を襲ったのです!」

「確かに黒い服の人物が蔵の中に入っていくのを見かけたと女中の一人が証言していますよ。同様の人物が村を歩いている目撃証言も多数上がっている。あなたも殺されたご主人も黒い服なんて着ていない。そいつが犯人なのは一目瞭然だ。しかしですね、目撃証言から悲鳴が聞こえるまで30分も経っている。奥さんは30分も黙って犯行を見ていたのですかい?」

「私は入り口の所で気絶させられたのです。気が付いたときには夫は死んでいたのです」

「さっきはご主人が襲われたと言いませんでしたか? なぜ気絶していたのに襲われたと分かるんですか?」

「そういう意味で言ったのではありません!」

「まあ落ち着いて、本題に入りましょう。蔵の入り口ですが、思ったよりも人通りが多いですね。蔵の中の様子も外からでは分からないですし、協力者がいた方が犯行に及びやすいと思うんですよ」

「私が共犯者だって言いたいんですか? なんで私が夫を殺すのに協力しなきゃいけないんですか! それに、私には協力できるような知り合いはいません」

「確かに奥さんの交友関係を調べてみたが、該当するような人物は見当たらなかった。そういえば奥さん。今のご主人は二人目らしいですね。旧姓は鈴木でしたっけ? 実家は老舗の染物屋だそうで。前のご主人も殺されているようですが、これは偶然ですかね?」

「前の夫は事故死です。何が言いたいんですか?」

「どうやら前のご主人との間にもお子さんがいらっしゃったようじゃないですか? 再婚するときに施設に預けたそうですが……今はもう立派に成人しているそうですね。例えば、黒い服の人物が息子さんだったら辻褄が合うんじゃないかと思いましてね」

「息子とは別れてから一度も会っていません。息子も自分を捨てた親なんかに会いたいとは思っていないでしょうけど」

「まあいいでしょう。しかしですね奥さん。もうすぐ有名な探偵が捜査協力に来るって噂だ。強がっていられるのも今のうちだけですよ」

どうやら母が警察に疑われているようだ。村の権力者である父は日頃から僕や母に暴力を振るっていた。母が父を恨んでいると思われても仕方が無いのかもしれない。警察は母が悪魔王を逃したと疑っているようだが、僕は入り口から悪魔王が出て来なかったことを知っている。きっと悪魔王は別の場所から蔵の外に出たんだ。僕は母の疑いを晴らす手掛かりを探しに蔵へと向かった。

蔵に忍び込むと辺りを見渡した。どうやら警察はいないようだ。悪魔王は蔵の中からどうやって脱出したのだろうか? 入り口は僕がずっと見張っていた。蔵には他に小さな天窓がある。天窓は天井付近の壁に付いているが、蔵にある脚立を使えば届く高さだ。僕は脚立を使い天窓付近まで登ってみた。天窓の大きさは20センチ四方、僕のような子供ならまだしも大人が通り抜けるのは不可能だろう。天窓を開けて辺りを見渡してみたが特に何も見つからなかった。僕は天窓を閉めて今度は蔵の中を見渡した。蔵の天井からは蛍光灯がぶら下がり、蔵の中を万遍なく照らしている。ふと、僕は戸棚の裏に何かが落ちているを見つけた。

「これは……包帯?」

悪魔王が顔に巻いていた包帯だ。逃げるときに落としたのだろうか? これは重要な証拠かもしれない。しかし、悪魔王が蔵を脱出した方法は結局分からずじまいだ。目的もなく途方に暮れていると、後ろに人の気配を感じた。振り返るとそこには見たこともない長身の男が立っていた。

「巫光恵の息子さんだね。君の話を聞かせてくれないか?」

問題
蔵の中で消えた黒い服の人物の正体を推理してください。

解答方法
以下の空欄を続けて入力してください。
〇〇の××
〇〇は(士郎、光恵、僕、小夜、警官、悪魔王)の中から選んでください。
××は(父親、子供、双子、偽物、変装、幻覚)の中から選んでください。

解答例
僕双子


※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。

解答する:

最終話『上天の光』への最新コメント

[113782] (無題)
 投稿者::えんぺち◆[727a2b0]#[正解者] 投稿日時: 2012-02-20 21:39:30
ありがとうございました。
[113480] (無題)
 投稿者::斧◆[d4ee1fb]#[正解者] 投稿日時: 2012-02-07 23:18:04
父親の自殺という別解はありませんか?
理由なんて後出しのストーリーでどうとでもなるだろうし…
これは駄問
[112730] (無題)
 投稿者::ひな◆[b88cbfd]#[正解者] 投稿日時: 2012-01-15 13:16:28
解けました。。。

[112707] (無題)
 投稿者::ヤビ◆[2c78175]#[正解者] 投稿日時: 2012-01-14 17:56:46
楽しませていただきました^^「炎」と「氷」がまだですが・・・・
こんな過去が・・・
[112458] (無題)
 投稿者::すけきよ◆[c0250bc]#[正解者] 投稿日時: 2012-01-04 22:18:01
いずれも面白い問題で、お屠蘇と一緒に楽しませて頂きました。


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最終話『上天の光』の情報

問題作成日:2012-01-04
解答公開日:2012-04-04最終更新日:2012-01-07 23:54:45(更新回数:1)
更新内容:


正解率:13% (正解回数:190 解答回数:1373)

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