問題No.16546 【推理クイズ】ショタインザゲート 〜郷愁のパラドックス〜
出題者:エロシャダイ◆[c753090]
〜枯れた技術のラテラルシンキング〜から
ここはどこだ――?
私は誰だ――?
記憶も、意識も、視界も、混濁していて。
超音波にも似た音の激流が、頭の内側からスピーカーのように轟音を発し。
穂村「あ、うぅぅあぁぁぁ――」
頭が痛い。目の奥……と言うべきだろうか。
何百本もの長い針で、頭の中を延々と刺され続けているような。
でも、脳に痛覚なんてあったか?
?「……み!」
穂村「ああぅ、うああああっ!」
そもそも痛みだけじゃなく。
痛くて、ゾクゾクするような快感があって、むずがゆくて。
全身が火照っているような感じ。
?「……けみ……!」
頭蓋骨を取り除いて、脳みそを掻きむしりたい。
指先で柔らかな脳を掻き出して、それをクチャクチャとしゃぶりたい。
?「……あ……み……!」
様々な衝動に駆られて、頭がおかしくなりそうで――
私は、誰だ――?
?「ちょっと暁美ちゃん! どうしたの!?」
穂村「――――っ!?」
吹き飛んで、ぐちゃぐちゃになってしまった世界が。
一瞬で像を結び、再生された。
電流でも流されたように、自分の意志に関係なく全身が痙攣し。
――我に返った。
穂村「…………」
そこは民家の一室だった。
息が苦しい。
窒息しそうだ。
酸素をくれ。
そこで、私は自分の喉からうめき声にも似た声を発し続けていることに気付いた。
声を止め、逆に深く息を吸い込む。
穂村「……っかはぁっ、はあっ、はあっ、はあっ……」
喉の奥がひりひりと焼けるような錯覚。
咳き込みそうになりながらも、必死で空気を肺に取り込んだ。
気が付けば汗びっしょりだった。
額を垂れる滴が鬱陶しい。
それを拭いたい、と思った。
右手の甲で、拭うことにした。
…………右手が動き、額の汗を拭った。
身体の感覚が、妙だ。
今、肉体が意識に1テンポ遅れた気がした。
まるで、自分の身体ではないような。
神経が、身体の末端までうまく伝達されていないかのような。
ゆっくりとまばたきをしてみる。
気のせいかもしれない。
?「暁美ちゃん? 聞いてる?」
私はゆっくりと振り返りながら横暴院さんの言葉を思い出していた。
ここにいるのは円カナメ。
困惑したような目を私に向けている。
横暴院さんの説明によると過去にタイムリープした私は世界線の収束により、この少女とクラスメイトになっているらしい。
円「どうしたの、急にすごい声出して」
なんのこと?
円「具合悪いの?」
穂村「…………」
答えようとしたが、うまく声にならなかった。
私はさらに戸惑い、何度か咳払いをする。
穂村「……いや、問題ない」
円「そう。だったらさっさと出かける準備してよ。買い物に行くんでしょ」
穂村「……買い物?」
買い物って、なにを買いにいくの……?
自分の記憶を探ってみて――
連鎖的に、いくつもの光景が、いくつもの言葉が、いくつもの匂いが――
脳裏にフラッシュバックした。
穂村「あ、あ……」
思い出した――
私は、タイムリープをして――
そうだ、私はなにをのんびりしている!?
私は――
穂村「ここは、どこ……?」
円「え?」
目の前にいる円カナメの肩をつかみ、詰め寄った。
穂村「今日は何年何月何日!?」
円「ちょっ、痛い……! 落ち着いて……!1983年の7月15日だよ……」
穂村「……成功、したの……?」
私は、あの混乱の中で、タイムリープに成功した?
本当に、私は、時間を跳び越えた?
あの混乱がすべて、私の夢だったっていう可能性は?
だって、あんなの、ちっともリアルじゃなかった。
どこのハリウッド映画だよ、っていうような内容だった。
しかし、血に染まって倒れているゆりしーの姿はこの目に焼き付いている。
血の匂いも。
乾いた銃声の記憶も。
あれは全部、夢だったんだろうか?
分からない。
タイムリープなんて、これまで一度もしたことはないんだ。
というよりも、夢であってほしいと、願わずにはいられない。
あんな未来は……あんまりだ……。
ゆりしーの最期が脳裏で蘇り、涙が溢れそうになった。
それをぐっとこらえる。
タイムリープをしてきたのなら、一刻も早く行動を開始しないと。
* * *
今日は円カナメとファミコンを買いに行くことになっていたらしい。
これも世界線の収束によるものだろう。
近所のおもちゃ屋に行く道中。
円「クラスのみんなには内緒だよっ☆」
円カナメが十円の駄菓子『うまい棒』をくれた。
おもちゃ屋に着き、私はファミコンとソフト(ドンキーコング)を買った。
代金はタイムリープの時に横暴院さんから受け取っていた聖徳太子の一万円札2枚で支払った。
商品とお釣りを受け取ると、そそくさと最初にいた民家に戻った。
動作確認するためだ。
早速ブラウン管のTVにファミコンを接続して円カナメとプレイしてみる。
円カナメはぎこちない手つきでカチカチとAボタンを連打している。
どうやら動作は問題ないようだ。
――過去は離れて行き未来は近づくの?――
――観測者はいつか矛盾に気付く――
穂村「あたしって、ほんとバカ」
この時、私は気付いてしまったのだ。
私はタイムリープなどしていないと。
【問題】
何故、穂村暁美はタイムリープしていないと気付いたのでしょうか?
次のようにお答えください。
■■が●●だったから
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※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。
ショタインザゲート 〜郷愁のパラドックス〜への最新コメント
[114746] (無題)
投稿者::漆黒の魔王◆[899e7d4]#[正解者] 投稿日時: 2012-05-12 15:48:00
下のコメントのぽこさんと同じです。[114734] (無題)
矛盾している所は分かってたんですが…。
すごく面白かったです。ありがとうございます。
投稿者::ぽこ◆[1879226]#[正解者] 投稿日時: 2012-05-11 15:07:59
だいぶ悩んでようやく分かった。[112116] (無題)
矛盾点は割とすぐに分かったんですけどね。
■■と●●に入れるべき言葉がこれとは(笑)
投稿者::っっd◆[b9f3fe2] 投稿日時: 2011-12-18 00:59:42
オカシイ所が分ったら、入力する文字列もすぐ分かりますか?[112000] (無題)
投稿者::凛◆[054fb4c]#[正解者] 投稿日時: 2011-12-11 21:50:25
ごえもんさん[111980] (無題)
うーむ
どうヒントを出したらいいものか
よくある矛盾を探すクイズです。
この年にはまだないもの…
しょたさん
それであっています。
入力する文字列が10文字でした。
投稿者::しょた◆[8e00ab9] 投稿日時: 2011-12-10 04:21:59
・・が・・だったから で10文字ですか?
ショタインザゲート 〜郷愁のパラドックス〜の情報
問題作成日:2011-11-22
解答公開日:2012-05-22最終更新日:2011-11-25 01:48:43(更新回数:2)
更新内容:
正解率:2% (正解回数:140 解答回数:5902)
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